STORY

消されるなこの想い
忘れるなわが痛み

#08 水の向こう側

2006.5.25放送
脚本 桶谷 顕
絵コンテ 杉島 邦久
演出 三好 正人
作画監督 松川 哲也(キャラ)、松田 寛(メカ)

数々の苛酷な体験を経て強い虚無感に襲われたキョウは、生きている実感を求めて現実と虚構のはざまで必死にあがいていた。
シマはルーシェンの進言を聞き入れ、そんなキョウが以後の戦力になるか否かを判断するべく試練を与える。現実をしっかりと受け止めさせるため、メイウーとペアを組ませてゼーガペイン・アルティールで現実世界の舞浜サーバーへと向かわせたのだ。
廃墟の高層ビルの地下でキョウが目撃したのは、小さなメモリーユニット。それが自分達の暮らす舞浜サーバーだと知らされたキョウは激しく動揺し、メイウーを残してサーバー内の仮想世界へ戻ってしまう。

#09 ウエットダメージ

2006.6.1放送
脚本 高山 カツヒコ
絵コンテ 凛々 雅由紀
演出 凛々 雅由紀
作画監督 牧 孝雄(キャラ)、有澤 寛(メカ)

期末試験―――なぜかサービス問題の1問だけ解答が思い出せないものの、無事にクリアするキョウ。リョーコとの関係もほぼ旧に復し、ホッと安堵する。
オケアノスでは、大規模な作戦を決行するか否かの議論が交わされていた。キョウが「フィジカルデーターは前バージョンと同等にまで回復していて、身体的には優秀なガンナー」である事を知り、作戦敢行を決意するシマ。
一方、舞浜サーバーでは、ハヤセ&ウシオがキョウと和解して水泳部に入部。水泳部復活へ大きく前進し、喜びを隠せないキョウ。公私ともに快調のキョウは、作戦への参加を快諾。ただし交換条件として、水泳部の廃部の1ヶ月間延期をシマに願い出る。
すると、クリス&アークも「俺たちにも条件があるんだが」と言い出し、「思い出を作り直す」ために舞浜サーバーへ降り立つ。そんな2人とカフェで語らうキョウは、数々の衝撃の事実を知らされる。

#10 また、夏が来る

2006.6.8放送
脚本 村井さだゆき
絵コンテ 下田 正美
演出 工藤 寛顕
作画監督 鎌田 祐輔

夏休み前、映研部屋の整理中に、「世界の終わりの夏の一日」と題した先輩・河能亨の自主映画ディスクを見つけるリョーコ。それは淡々と無人の舞浜の景色を映しただけの退屈な作品だったが、圧倒されるような不思議な実在感を放っていた。
自らの自主映画の主役を探しに、キョウたちのいるプールへやってきたリョーコは、終業式の夜に行われる夏祭りへ一緒に行く約束をする。その際に、河能のことをシズノに尋ねると、「……河能くんは病気で休んでいるわ。2学期になったら出てくるんじゃないかしら」
シズノの反応に違和感を覚えたキョウに、シマたちは「河能は戦死したセレブラント」であると告げる。この世界は、セレブラントの死を事故死、転校、あるいはハヤセの恋人の津村さち子のような「いるけれどなぜか会えない人」といった様々な形で受け入れることで、矛盾を最小限にとどめようとしているのだ。

#11 残るまぼろし

2006.6.15放送
脚本 関島 眞頼
絵コンテ 下田 正美
演出 雄谷 将仁
作画監督 大貫 健一(キャラ)、西井 正典(メカ)

偵察任務中、体調不良に苦しみ、初めて死への恐怖をクリスに告げるアーク。同じ頃キョウは、アークのウェットダメージが深刻で余命幾許もないことを知ってショックを受ける。そんなキョウとシズノに、シマは「思い出作り」のために再び舞浜へ降りるクリス&アークと同行するように命じる。実はシズノとアークは親友なのだ。
ダブルデートのスナップ撮影をキョウから頼まれ、しぶしぶ引き受けるリョーコ。ところが、ダブルデートはリョーコの予想に反してシズノ&アーク、キョウ&クリスの組み合わせで展開。
途中、ペットショップで1匹の子犬を買い、ピエタと名付けるアーク。シズノ&アークは楽しげに語らい、見守るクリスも笑顔で、苦悩の片鱗も感じられない。そんな三人の姿に違和感を覚えたキョウが、クリスに自分の気持ちを告げると、「何かやってないと不安なのさ、俺もアークも…」その時、キョウ達四人に出撃命令が下る。

#12 目覚める者たち

2006.6.22放送
脚本 桶谷 顕
絵コンテ 高田 耕一
演出 宅野 誠起
作画監督 米山 浩平(キャラ)、池田 有(メカ)

キョウは、リョーコがセレブラントとして覚醒しつつあることが気がかりでならない。オケアノスでは、ミナトたちが新たに生まれてくるセレブラント候補のデーター解析に大忙しだが、覚醒から成熟へ進む者は少ないと聞かされ、ホッとするキョウ。
さらに、ガルズオルムの本拠地が北極付近にあることも判明するが、具体的な位置特定には至らない。
キョウからそれを聞いたクリスは、アークを失った悲しみを紛らわせるために、メイイェンをパートナーにしてゼーガペイン・フリスベルグの訓練に励む。その様子に、パイロット補充の必要性を痛感するキョウだが、アークの死を目の当たりにした直後でもあり、カミナギだけはセレブラントになってほしくないとシズノに言う。

#13 新たなるウィザード

2006.6.29放送
脚本 久保田 雅史
絵コンテ 日高 政光
演出 ヤマト ナオミチ
作画監督 松川哲也(キャラ)、松田寛(メカ)

シマからリョーコの教育係を言い渡され、順調にセレブラントとして成長していくリョーコに複雑な思いのキョウ。
オケアノスに来ると、手作りのお弁当を広げてみんなと溶け込んでいるリョーコを目撃する。初めて現実世界を目にし、その美しさに夢中になってデジカムを廻し続けるリョーコ。シマは、そんなリョーコを正式にゼーガペイン・アルティールのウィザードに任命する。
キョウの力になれることが嬉しいリョーコ。リョーコを守る決意を新たにするキョウ。
「キョウちゃんと一緒なら私、強くなれるから。もっと高く翔べるから……」
シュミレータールームでのゼーガペインの戦闘訓練が開始される。
初体験ながら驚異的な高得点をマークするリョーコを目の当たりにして、シマはリョーコがウィッチ───ガンナーと以心伝心でデーターリンク出来る特殊なウィザード───だと確信する。

#14 滅びの記憶

2006.7.6放送
脚本 桶谷 顕
絵コンテ 凛々 雅由紀
演出 凛々 雅由紀
作画監督 しんぼたくろう(キャラ)、高瀬 健一(メカ)

ゼーガペイン・アルティールが急襲された記憶映像を分析し、対ゼーガ用に開発されたガルズオルムの新兵器の存在を確認するシマたち。
その傍らで、リョーコの死を受け入れられず茫然自失の態で立ち尽くすキョウ。気が付けば、リョーコとの思い出を辿って舞浜市内を彷徨っていた。
そして、最後にリョーコの家を訪ね、部屋に残されたパソコンの画面をクリックすると、映し出されるのはキョウの映像ばかり。さらに、ボイスメモに記憶されたリョーコの声が流れるや、その死が一気に実感されて、キョウは泣き崩れてしまう。
そんなキョウに対し、ミナトはコージーの精神を操って、リョーコの死を契機にキョウが人類滅亡の歴史を知ろうとするように仕向ける。